【きんもくせいが香る頃 第三巻① あらすじ】
昭和三十年代初頭、満天の星が輝く夜。一人の男が、生まれたばかりの娘の出生届を出すために、走って町役場に向かいました。
その男こそ、私の父、宗でした。
「きんもくせいが香る頃」第三巻ー① 私が生まれて
「きんもくせいが香る頃 第三巻①」わたしが生まれて
戦後の混乱から立ち直り、日本が高度経済成長へと向かい始めた昭和三十年代。まだ戦争の傷跡を抱えたままの大人たちも少なくなく、人々は、それぞれの事情を抱えながらも、日本はたくましく復興しました。人々は雑多な価値観や希望をもち生きていた、活気のある時代でもありました。
「きんもくせいが香る頃 第三巻①」やさしかったにーちゃんたち
そんな時代に、私が生まれた家には、父を慕う荒っぽく元気のいい男たちが出入りし、血のつながった家族と、父を中心に集まったもう一つの「ファミリー」。幼い私にとって、その二つの世界は、ごく自然に重なり合っていました。
「きんもくせいが香る頃 第三巻①」賭場で失禁しまくるちーバアと石田のひでにーちゃん
しかし、成長するにつれて、私は自分の家が普通の家庭とは違うことを知り、世間の目や偏見に傷つきながら、善人とは何か、悪人とは何かという疑問を抱くようになります。
世間から悪者と呼ばれる人が、必ずしも冷酷な人間とは限らない。反対に、社会的に立派とされる人が、必ずしも正しく優しいわけでもない。
「きんもくせいが香る頃 第三巻①」木島のゆきちゃん姉妹と木島のおじちゃん
子どもなりに人間を白と黒に分けようとしても、現実は矛盾だらけでした。
また、身近な人々の病死や、暴力による突然の死、薬物によって心も体も蝕まれていく人の姿など、幼い頃から、さまざまな人間の生と死にも接してきました。
「きんもくせいが香る頃 第三巻①」 タカおばちゃんの葬儀
父の背中におぶわれて歩いた夕暮れの商店街、食堂のオムライス、母の編み機の音、夏祭りの賑わい。
そんな懐かしい昭和の風景のすぐ隣には、人間の弱さや残酷さ、貧しさや悲しみ、大切に守り続ける愛情や信頼を垣間見る情景もありました。
第三巻①では、社会の表裏に生きる人々の姿、そして幼い私が見聞きした人間の善悪や生と死を、当時の暮らしとともに振り返っています。
今の時代の価値観では理解しがたいことも、決して少なくありません。しかし、そこには、善悪の一言では片づけられない人々の暮らしがあり、私自身もまた、その中で育った一人でした。

昭和という時代を生きた「ある男と家族・一族、そしてファミリーの叙事詩」。
「きんもくせいが香る頃 第三巻①」2026年10月21日
Amazonキンドルにて電子書籍版発売。
【本書についての重要なおことわり(免責事項)】 ※読者の皆様に安心してお読みいただくため、事前にご一読ください。 本作は個人の回想録であり、特定の団体や思想、活動について特別な言及を行うものではありません。また、いかなる違法行為や犯罪をも肯定・美化する意図も関係も一切ございません。 作中に登場する個人名、地名、団体名等には、事実を基にしつつも、プライバシー保護および物語の進行のため一部改変や仮名を使用しております。実在の人物や団体などと名称が一致する場合がありましても、それらは偶然のものであり、現代の特定の団体・個人との同一性を意図するものではございません。
同著者の別作品紹介
『バーバー田中のせっちゃん-夏休みの村-』
本作とは、まったく違う世界観で描かれた昭和のノンフィクション。
(アマゾンkindleにて販売中)

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